時計塔の少年

古い街の中央にそびえる時計塔。
そこに、一人の少年・レオンが暮らしていた。
彼は毎日、鐘の音を鳴らしながら、塔の上から街を見下ろしていた。
朝に目覚める人々、働く商人、笑い合う子どもたち。
けれど、誰も塔の上の少年の存在を知らない。
ある日、塔の針が止まった。
それは、この街が“時を忘れ始めた”という合図だった。
レオンは初めて塔を降り、街へ足を踏み出す。
時計の音のない世界で出会ったのは、ひとりの少女——“音を聴くことのできない”少女だった。
彼女と共に、止まった時間を取り戻すための旅が始まる。
そしてレオンは知る。
「自分が鐘を鳴らす理由」は、ただ時間を告げるためではなく、
人々の心をつなぐ音を守ることだったのだ。







